2005年7月12日

昨日は、ボスニア北部のスレブレニツァで、イスラム教徒のボスニア人ら8000人が、セルビア人勢力に虐殺された事件から、丸10周年でした。国連軍のオランダ兵士たちが町を守っていたのに、市民をセルビア軍から全く守らず、男たちが虐殺の現場に連れて行かれるのを拱手傍観していたことは、国連を初めとする国際機関の大きな過ちであり、国際社会の大きな恥であります。

この事件は、第二次世界大戦以降、ヨーロッパで発生した虐殺としては最悪のものです。ボスニアでは、今もセルビア軍が埋めたと思われる遺体が、地中から数多く発見されています。国連関係者は、この事件を教訓として、非道な暴力には武力で対抗しなくてはならない時があることを学ぶべきでしょう。ボスニア人の間では、当時、武力介入には消極的だった、国連のボスニア担当幹部の評判(日本人)の評判はあまり芳しくありません。

ボスニアでの残虐行為の罪に問われている、セルビア人指導者カラディッチとムラディッチは、国際刑事法廷から起訴されていますが、いまだに逮捕されていません。国際社会は一刻も早く2人を逮捕して、裁きの場に引き出すべきでありましょう。ボスニア人の知り合いによると、カラディッチはいわゆるシュリンク(サイコセラピスト)で、絵本などを潜伏先から出版し、セルビアでは良く売れているようです。